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オープンデータで行う商圏分析①~出店エリアの選定~


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【2022/9/14】

小学校バッファー

バッファーを利用した分析例

人流データ

利用データ例(G空間情報センター「全国の人流オープンデータ」)

GISを利用した商圏分析は、最近ではごく普通に行われるようになりました。
「店舗を出店するのに最適な場所はどこか?」「効率的に販促を行うためにはどの地域に働きかければよいか?」等、場所に関する意思決定のために、主に小売店等の顧客を対象としたビジネスにおいて実践され、現在では幅広い分野で活用が進んでいます。

商圏分析とは?

販売やサービスの実施を検討する際に行う市場環境地域特性の把握を目的とした分析手法のことで、別名、エリアマーケティングとも呼びます。
これらの分析結果は、新しい商業施設の出店戦略や、チラシ・DMの配布といった販促戦略、顧客データを用いたRFM分析等の顧客分析など、企業のマーケティング戦略を構築するための材料として利用されています。

AreaMarketingClassify

今回は、PC-MAPPINGで商圏分析を行う場合、どのような方法で分析を進めることができるのか、オープンデータを利用して検討していきます。

地域特性を明らかにする

GISを利用した商圏分析では、地域特性を各種のデータから解析・可視化することが主眼となります。

地域特性分類

地域特性として知りたい情報は、大きく分けて、人口生活様式競合地理の4つがあります。
人口情報には、性別、年齢、世帯数、住居形態などがあります。
これらの情報からは、「若い女性」等、ターゲットとなる層がどの地域にどれくらい住んでいるかなどを確認することができます。
生活様式情報には、就業状況、購買力、移動手段などがあります。
消費者の生活様式を把握すると、通勤時間に合わせてセールを実施するなど、より詳細にターゲット層を絞り込むことができます。
競合情報には、競合店の所在地や取扱品目、店舗等の設備・運営情報(面積、駐車場台数、営業時間等)等があります。
競合の状況を把握することで、商圏の重複や勢力の及んでいない空白地帯を見つけだし、それに基づいて出店、販促戦略を立案することができます。
地理情報には、地形や道路、交通情報などがあります。
「周囲の起伏が激しくないか」「道路の混雑状況はどうか」等、出店候補地の立地に適しているかの判断や、道路や駅等の新設予定がないか等を確認します。

(参考:中島円『その問題、デジタル地図が解決します―はじめてのGIS』ベレ出版、2021年)

東京都内を対象にした出店計画の作成:エリアの選定

今回は、東京都内で、ファミリー層向けレストランの出店計画を作成します。
この要件を満たせる場所を、オープンデータを用いて検討していきます。

人口の確認:国政調査による統計データ

まずは、東京都の地域特性のうち人口の特徴を把握することから始めます。
人口データの確認には、国勢調査による統計データを利用します。
≪使用データ≫
e-Stat 政府統計の総合窓口「令和2年国勢調査町丁・字等別境界データ 東京都全域」
e-Stat 政府統計の総合窓口「令和2年国勢調査 人口等基本集計 町丁・字等編 男女別人口総数及び世帯総数 13 東京都」
e-Stat 政府統計の総合窓口「令和2年国勢調査 人口等基本集計 町丁・字等編 年齢(5歳階級、4区分)別、男女別人口 13 東京都」

国勢調査とは?
国勢調査は、全国民を対象とした基幹統計調査(統計法で特に重要なものと定められ、主に行政機関により行われる統計調査)で、5年毎に実施されます。国勢調査で得られた統計データは信頼性が極めて高いと言われています。

町丁・字境界

1. まずは分析の対象となる東京都の町丁・字境界データ(ポリゴン)、人口・世帯数データ、及び年齢別、男女別人口データをインポートします。
3つの使用データ(上記参照)をダウンロードし、
[インポート]-[総務省・法務省]-[総務省 地図で見る統計(統計GIS)データ]メニューを利用してPC-MAPPINGにインポートします。
※左図は背景に地理院地図(白地図)を表示させています。

字ポリゴン属性

2. 境界データのポリゴンには、町丁・字名情報等が属性として登録されています。
境界ポリゴンと人口・世帯数データそれぞれに設定されているリンクキーを元にデータベースリンク設定を行い、人口世帯数の情報もポリゴンに登録します。
人口・世帯数情報から階級区分図を作成することで、直感的にデータの傾向を把握することができます。
参考:「GISでのデータベースの利用① ~PC-MAPPINGで利用できるデータベース~」

人口の階級区分図

人口の階級区分図

世帯数の階級区分図

世帯数の階級区分図

年齢別人口

3. ターゲットをファミリー層とするために、子供が多いエリアを確認します。
1. でインポートした年齢別、男女別人口データをリンクキーを用いて境界データのポリゴンにリンクさせ、総数0~4歳/総数5~9歳/総数10~14歳 フィールドの値を合計した、0歳から14歳までの人口のフィールド計算フィールド機能を利用して作成します。

参考:【計算フィールド】設定方法

0~14歳人口

4. 0~14歳人口データから、総人口や世帯数と同様に階級区分図を作成します。
見比べてみると、総人口や世帯数が多い地域と、0~14歳人口が多い地域の傾向が異なることが分かります。
4. 大まかな傾向を確認したところで、次は具体的に数値基準を定め、検索により出店エリアの絞り込みを行います。
今回は、
人口:10000人以上 世帯数:600世帯以上 0~14歳人口:2000人以上
という条件で検索を行います。

検索

[データベース]-[表示]-[検索]で、条件を入力し、検索を実行します。
検索条件に該当する8件中、3件が江東区であることが分かりました。
そこで、今回の出店エリアを江東区にすることとします。

検索ヒット

今回は、オープンデータを利用した商圏分析により、出店エリアの選定を行いました。
次回は、出店エリア内で検討した出店候補地のリストから、より詳細な分析を行うことで、最適な出店地の絞り込みを行います。

↓続きはこちら↓
「オープンデータで行う商圏分析②~出店候補地の絞り込み~」